2010年12月14日アーカイブ

感覚の目と実際の目

モノ作りだけに限らず何事も目だけに頼っていいては物事の実態は案外見えてきません。

例えば先日も話したように家具作りに関する木材の水分などは目では見えません、含水率を測る計測器などもありますが長年木をよく見ていれば密度、重さ、触感でおおかたの水分はわかるようになります。

こうした感覚はモノ作りにはとても重要でこの感覚の目とも言うべきモノを日々培っておく必要があります。
この感覚の目は本来誰もが生まれつき持っているように思いますが実際の目に映るものだけしか見ようとしない場合はこの感覚の目はどんどん失われていきます。

しかし昨今の流れとして見えないものを映像などを駆使して無理やり見えるようさせようと努力する傾向があります。
私はこの努力は向けるほこ先を勘違いしているように思います、映像などで見せるようにすればするほど実態を捉える人間本来の感覚の目は退化し想像力はなくなり、真実を捉えられない人間を増やすだけのように思います。

見える情報だけにに頼っていては実態を捉える能力を衰退させてしまい、結果物事の実態について見えないようになってしまいます。

カーナビなどはそのいい例で頼っていいては頭の中に地図を描けなくなると思います。
これは単に地図が頭に描けないだけにとどまらず、その他全ての想像力低下をまねきます。
確かに一部には便利な面もありますが失うモノを考えるとあまり得とは思えません。

最近、人と話をしていて感じることは時々、この感覚の目を閉じて実際の目だけで物事を話す人が多くなっています。
オーダーメイドで家具などを作る場合は完成後なら実際のモノを目にすることが出来ますが作る前は見ることが出来ません、デザイン図を駆使して説明に努めますが上手く理解できる人とそうでない人がいますそんな場合はとても苦労をします。
中には全く感覚の目を閉じて理解しようとしない方がたまにおられ説明を断念するケースもあります。

木材は乾燥された状態で販売されていますが乾燥方法には人工乾燥と自然乾燥とがあります。

ホームセンターなどで販売されているものはおおかた人工乾燥されたものですが多くは建築用に製材乾燥されています。
しかし木の含水率はなかなか見ることが出来ません。
同じように見える木材も乾燥度により接着剤の効きやアバレは大きく違ってきます。

この乾燥度合いが家具を作る場合の基本要素で最も重要な部分でもあります。

建築用の木材は少し乾燥が甘く15†18%程度が多いようです、ネジ釘を多く使う建築ではこれでも良いのですがこの伸縮やアバレを考えると家具作りにはでは水分が多すぎます。
10†12%程度が私の経験からは家具に適してると考えます。
もちろんこの状態でも木の反り、伸縮はあります、でも空気の湿度を考えるとこのくらいが比較的木材の特性を押さえてくれます。

乾燥状態がいい加減な木材で家具を作るとまともな物はなかなか出来ません。
一般ホームセンターで販売されている木材は建築用がほとんどで家具用に乾燥されたものは少ないようです。
このような木材を使って作ってみたが後で反ったり、曲がってり、ハズレてりと問題が出てくるのは木材の乾燥状態によるものが多いようです。

こうした木材の乾燥に関する特性を知らずにみんな同じように考えている人は多いようですが家具などを作る場合はその違いを知るべきです。

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----作者紹介----


三谷 正昭
1953年3月大阪生まれ
-職業-
本棚、家具等の デザインと製作販売
㈱ONE&ALL代表
-好きなこと-
魚釣り、歩くこと、サイクリング、 仕事
-得意なこと-
壁面にピッタリの本棚やキャビネット作り
-ごあいさつ-
家具作り・身近な出来事を通して「ふっ!]と感じたことを勝手気ままに綴っています。

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